エリオット手稿

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アーネンエルベ
ナチ親衛隊が設けた秘密結社だ。正式名称を「独逸ドイツ先祖遺産古代知識の歴史と研究協会」という。大仰な名前はいかにもナチ好みだ。歴史の捏造には権威付けが必要ということだろう。
悪場所(あくばしょ)
悪い気が充満する場所のことだ。病傷の囚人を収容した江戸時代の品川めなどその代表である。こういう場所ではひときわセヒラが強いと思われる。
浅草今木(あさくさいまき)
浅草六区にある甘味処だ。この店の餡蜜あんみつは京風のこし餡を使う。新聞記者たちのたまり場にもなっている。看板娘の今木照いまきてるが切り盛りしている。店主は今木春世いまきはるよである。
浅草名劇座(あさくさめいげきざ)
聖林ハリウッド帰りの万条左門ばんじょうさもんが支配人を務めている。左門さもんは無声映画のスタアだった。「ダークメモリイ」のマイク・ヤマギタがハマリ役。トーキーの登場が彼から出番を奪ったのだ。
アストラル
無数の人間の息吹きが、心の願望が、肉体の匂いが、凝り集まっておぼろな命に蘇えった──帆村魯公ほむらろこうはこう称した。現世の人の思念が、セヒラに触れてぼんやりと形を為した、それがアストラルだと考えられている。
アラヤ界(あらやかい)
おそらく阿頼耶識あらやしきのことと思われる。意識、那識なしきのさらに下層を成す、古今東西、あらゆる人間の行いや思念が蓄えられているとする場所である。唯識論的には、すべては阿頼耶識あらやしきから生じるとされている。
アラヤ門(あらやもん)
アラヤ界に繋がると考えられている場所だ。門とは比喩的な表現であり、おそらくは空間の歪みのような現象があるのだろう。実際にアラヤ界に行けるかは不明である。
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瑛山会(えいざんかい)
アラヤ門を管理する組織だ。聖宮成樹ひじりのみやなるき親王ほか、ナチ将校、独逸ドイツ人物理学者など、日独の関係者により設立された。ナチの秘密兵器「釣鐘」を山王ホテル地下に搬入、設置する秘匿任務を司った。
N計画(えぬけいかく)
満蒙にユダヤ人を入植させる計画のことだ。独逸ドイツで迫害されるユダヤ人を集め満蒙発展を促す構えである。旗振り役は大連ダイレン特務機関の中条なかじょう大佐と聞く。
F基金(えふききん)
N計画に先立ち設けられた基金で、運用総額は一七〇〇万円。ユダヤ人豪商らからの出資だそうだ。運用担当は藤沢レーネである。利回り二桁というから凄腕の運用者なのは確かだ。
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大國屋機械社
(おおくにやきかいしゃ)
奉天ホウテンの錠前屋であるナナオセンジロウが第一台場に開いた兵器しょうだ。可変口径砲や連射ルガーなどを開発。一方で密かに開発兵器の横流しをしていると聞く。
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怪人(かいじん)
かれることで、人間離れした怪力を得て不死身の存在となった者のことだ。憎しみを宿したり、心に隙をこしらえるとかれ易くなるという。怪人はやがてに霊魂を吸われてしまうらしい。
褐色館(かっしょくかん)
ナチSS親衛隊本部の建物だ。建物全体が褐色をしていたことからこう呼ばれる。竣工直後の写真を見たことがあるが、何の変哲もないビルヂングであった。
ガド一族(がどいちぞく)
失われたユダヤ十支族の一つとされている。私の知るところによれば、ガド一族に霊異りょういの発現は見られない。霊異りょういが認められるのはマナセ一族であるとの報告もある。
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汽車時間表(きしゃじかんひょう)
鉄道省が編纂した列車時刻表だ。喪神もがみ梨央りおが愛用するのは昭和九年十二月号。同年、丹那トンネルの開業で、大幅なダイヤ改正があった。特急つばめでは東京大阪間が二十分短縮された。
蟻走痒感府(ぎそうようかんふ)
亜細亜アジアにあるという桃源郷のことだ。地下にあり、蟻と共生する民が暮らすという。その民の肌は透けるほどに白く、最も肌の白い者が統治者カーンとなる。アーネンエルベのフォス大佐はこの話を信じ、海拉爾ハイラルに分局を開設した。
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グランナイツ
アメリカにあるユダヤ人結社だ。率いるのはアイザック・ハリス将軍。山郷やまごうはグランナイツに働きかけ、十支族の末裔探しを試みるが、相手もさる者、のらりくらりする。さしもの山郷やまごうも業を煮やしたようだ。
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ゲート
安定稼働させるためにアラヤ門に手を加えたのがゲートだ。独逸ドイツでは部屋カンバーと呼ぶ。仏蘭西フランスではシャンブルだ。英語圏では単にホールと呼ぶ場合が多い。日本では伝統にならい、鳥居の意匠を採用している。
幻影城
流行作家の江戸川乱歩が西池袋に建てた土蔵であり、乱歩は書庫兼書斎として使っている。
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興亜日報(こうあにっぽう)
新京シンキョウに本社を構える新聞社。東京支局は内幸町の誠和ビルヂング四階にある。小所帯に熱血記者、新山和斗にいやまかずとが詰めている。和斗は技師新山眞にいやままことの実弟だ。
皇紀(こうき)
神武じんむ天皇が即位した紀元前六六〇年を紀元とする日本の元号だ。世界には西暦以外にも、ユダヤ暦、イスラム暦、タイ暦などがある。世界は必ずしも一つではないのだ。
強夢(ごうむ)
物に妄執するうちに、その物に姿が変わってっしまった人間のことだ。市松いちまつ人形、日本人形、フランス人形、ビヤドロ人形、また車や市電の事例も報告されている。強いセヒラの影響かと思われる。
公務電車(こうむでんしゃ)
山王さんのう機関の公務出動に用いられる400系市電。2軸単車の旧型だが、機関員の安全を考え、装甲が施されている。山王さんのうの丘のどこかに車庫があるはずだが、その存在は秘匿扱いだ。
ゴエティア偽典(ごえてぃあぎてん)
ソロモン72柱の悪魔を召喚する術がまとめられた古書だ。しかし帝都にあるのは偽典というではないか。誰かが何かの目的で手を加えたに違いない。偽典は複数あるとされている。
国立防疫研究所
(こくりつぼうえきけんきゅうしょ)
「国立」をかんむりするが、どうも国とは無関係なようだ。罪人の魂を喰わせて人由来のを作るといった噂も漏れ伝わる。今後、継続して観察が必要であろう。
牛頭会(ごずかい)
霊異りょういを封じられた東雲しののめ流の残党が、なんとか力を取り戻そうと組織した会だ。審神者さにわとしておうを持つ者は少なく、殆どは怪人となり憎しみを発散する、まるで社会憎悪の塊である。
牛頭機構(ごずきこう)
牛頭ごず会に参加する連中が市ヶ谷刑務所の囚人らを扇動し、牛頭ごず会を改組したのが牛頭ごず機構だ。名前だけは立派だが、中身はかれた怪人の寄せ集めに過ぎない。
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審神者(さにわ)
この神降ろしの秘術が日本に残っていたとは、実に感嘆すべきことである。古来より神憑かみつきを審判する秘術、それが執り行われた場所がにわ、つまり狭い庭であったことから審神者さにわを「さにわ」と称するに至ったのだ。
山王機関(さんのうきかん)
陸軍第一師団第一連隊に附属する特務機関である。帝都で頻発する怪人騒動に応るべく設立された。神降ろしの異能を誇る審神者さにわが招聘されて、霊異りょういと科学の融合により帝都の治安を維持する。機関長は陸軍大佐刑部一心おさかべいっしんである。
山王ホテル(さんのうほてる)
山王機関が本部を構える場所だ。本部は地下深くに設けられ、一般市民の知る由はない。ちなみにホテル利用客の半数以上は西洋人である。
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志恩会(しおんかい)
日本に渡来した古代ユダヤ支族を調査する目的とし設立された組織だ。米国のユダヤ人結社と密に連絡を取るが、必ずしも利害が一致しているわけではない。京橋区の鍛冶橋かじばしに事務所を置く。
東雲帰神法(しののめきしんほう)
鎌倉時代より伝わる審神者さにわの秘術だが、霊異りょういの断絶があからさまになり、流派を閉じることになった。宗主は如月宗達きさらぎそうたつ、その娘の鈴代すずよの代に至り、流派は完全に閉じられた。その流派は村魯公むらろこうが主宰する帆村ほむら流に受け継がれた。
人生よろづ相談
(じんせいよろずそうだん)
悩み事相談に応えてくれるサービスだ。新宿、銀座、神田、上野の四カ所に相談所があり、電話予約して訪問する。京橋(三五)「福呼ぶ」が宣伝文句である。
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帥士(すいし)
憑依ひょういされることなくを操れる秘儀を備える異能者だ。審神者さにわ、召喚師、いずれもすいである。帥士すいしであっても油断すればかれ、神経をおかしくするだろう。
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青山ホテル(せいざんほてる)
第三連隊に招かれた独逸ドイツから帰国した鬼龍豪人きりゅうたけとが投宿しているホテル。青山通りを少し入った、梨本宮なしもとのみや邸近くにある。南仏風の建築様式を取り入れている。
聖日信教(せいじつしんきょう)
本所区菊川きくかわに本社を構える神道系の新興宗教。教祖の大絹真砂湖おおぎぬまさこは、噂によると京都の瑛山えいざん会に名を連ねているという。強力な霊力を備える巫女、神子柴みこしばはつゑが教義に反した行動を取り、自ら神生みを行う。
絶界マテリアル
(ぜっかいまてりある)
帝都に噴出するセヒラによって凝固した物質である。金絋石きんこうせきなど、江戸時代の奇石収集家、木内石庭きうちせきていが命名した石が含まれている。強化に絶界マテリアルを用いる。
セヒラ
帝都の方々から吹き出す「瘴気しょうき」のような気。独逸ドイツのユンカー博士がこれを同定した。生命の樹のセフィラに因む命名だ。セヒラには古今東西、人間のあらゆる思念が含まれるが、憎しみや恐怖といった負の感情が力を持つとされる。
セヒラ探信儀(せひらたんしんぎ)
東京市内六ケ所に設置された大型のセヒラ探信儀。昭和七年に京大物理学者の柄谷生慧蔵がらたにいえいぞうがまとめた「戦実施計画要領」に基いて計画が遂行された。設置順に一探いちたん二探にたんなどと呼ばれている。
セヒラ通心機(せひらつうしんき)
セヒラ探信儀の技術を用いて開発された、思念レベルでコミュニケーションが取れるという装置で、まだ試作段階だという。心を通じさすので「通機」と呼ぶ。開発したのは飯倉技研の新山眞にいやままことである。
セルパン堂(せるぱんどう)
四谷よつや区の塩町しおまち電停前にある古書店で、店主は帝大哲学科を卒業した式部丞しきべじょう。セルパンとは仏語で蛇のこと。知識人向け雑誌『セルパン』に由来しているという。
一九三五年
(せんきゅうひゃくさんじゅうごねん)
帝都東京は関東大震災から不死鳥のように復興を遂げたのだ。まさに世界の奇跡である。近代的なビルが立ち並び、人々は、キネマにカフェとモダンライフを満喫する。
先帝祭(せんていさい)
大正天皇崩御ほうぎょの日であり、国民を挙げて先帝を偲ぶ日だ。しかし当日が12月25日とあって、帝都ではクリスマスムード一色。早12月の声を聞くとクリスマス商戦が始まり、この帝都は喧しさを増すのである。
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帥先ヤ(そっせんや)
悪意をたぎらすと無敵の怪人になれるという噂が広がり、怪人を目指す連中が登場する。新聞は連中を帥先そっせんヤと呼び始めた。牛頭機構ごずきこうの構成員や死ぬ死ぬ団、黒頭巾団なども帥先そっせんヤだ。人生相談にも帥先そっせんヤが関わっているようだ。
ソロモン72柱
(そろもん72はしら)
かつての古代ユダヤ王国にあって権勢を誇ったソロモン王の時代、土着の神々をすべからく悪魔へと堕としたのである。その数72柱。豊穣神バアル神もバアルゼブブ、蝿の王などと読み替えられ、さげすみの対象となったのだ。
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大東京市三十五区
(だいとうきょうしさんんじゅうごく)
昭和七年、豊多摩郡とよたまぐん渋谷町が編入されて、東京は全三十五区となった。この時、名称として大東京市が採用された。都市の名称に大の字を冠するなどなかなか洒落の利いた役人がいるようだ。
大連特務機関
(たいれんとくむきかん)
満蒙の地にユダヤ人を入植させるN計画を指揮する特務機関だ。機関長は中条なかじょう大佐、実務に当たるのは娘の中条忍なかじょうしのぶ嬢である。大連ダイレン連鎖レンサ街にある洋品雑貨商金森洋行の二階に本拠を置く。
台湾閣(たいわんかく)
特別、帝都事変とは関係がなさそうであるが、真名井真鏡まないしんきょうが魔鏡として託言を照らし出した場所として記憶に留めておこう。
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釣鐘(つりがね)
ナチが開発したとされる秘密兵器。その外観から釣鐘と呼ばれている。ゼーラム525という物質を用いた量子兵器とされる。釣鐘に高電圧をかけてアラヤ門を安定させているという。独逸ドイツ語ではDieGlockeという。
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帝大西亜細亜研究室(ていだいにしあじあけんきゅうしつ)
山王さんのう機関では、ゴエティアの偽典が見つかるたびにこの研究室に持込み、鑑定を依頼している。研究室の主はつた博士。鑑定術は確かだが、どこかとらえどころのない人物である。
帝都満洲(ていとまんしゅう)
帝都の下層に展開する異界。南満洲鉄道の路線図に似た形状の路線が延伸している。そして赤坂や青山といった帝都の街に照応する場所に満洲の地名を付した街区が形成されつつある。
帝都満洲鉄道
(ていとまんしゅうてつどう)
帝都満洲に伸びる鉄路。まるで南満洲鉄道を転写したかのように、帝都の下層に展開している。満鉄同様パシナ型機関車が運用されているが、その動力は全く不明である。
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東亜文化調査局
(とうあぶんかちょうさきょく)
極東からユーラシア大陸を経て遥か中東まで見通しながら調査している。局員として李景明リケイメイが在籍する。彼には蒙古の草原のような広々とした世界観を感じる。
トゥーレの館(とぅーれのやかた)
独逸ドイツにある召喚師養成のための秘密結社だ。仮面の総裁、リヒャルト・フィンケがべている。悪魔礼賛を旨とする異端集団というのが日本側の見解である。
東京ゼロ師団
(とうきょうぜろしだん)
東京0師団、通称ゼームス師団。品川のゼームス坂に師団本部があるとされるが、現地には高い塀に囲まれたレンガ造りの倉庫があるのみだ。実態は定かではなく、さらなる調査が必要だ。
特務機関(とくむきかん)
正規の作戦以外の、諜報や破壊工作など、特殊任務を受け持つ組織である。陸軍所属の特務機関が多いが、中には組織から独立した機関もあるようだ。
ドッペルゲンガー
実に興味深い事象だ。自分の分身の存在。これは生霊いきりょうとも違い、直接、対面することがあるというのだ。分身に会った人の話では、外見は自分と全く同一ながら、分身には何ら感情がない様子だったという。セヒラの影響、検討要す。
戸山陸軍軍医学校
(とやまりくぐんぐんいがっこう)
衞生えいせい豫防醫學よぼういがく』という講演集に、瘴気しょうきに侵された患者の神経を研究すべしという講演がある。演者は戸山の医師だ。その論調に闇を見たような気がする。医術の道も魔術と紙一重。今後、しかるべき観察が必要である。
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中野哲学堂(なかのてつがくどう)
井上円了えんりょうによって創設された哲学的世界観を具現化した公園だ。ソクラテス、カント、釈迦シャカ、孔子を祀る四聖堂をはじめ、哲理門、六賢臺ろっけんだい髑髏庵どくろあん、宇宙館など風変わりな建物がある。見当識けんとうしきを失いそうな場所なのは確かだ。
納音(なっちん)
陰陽五行から導いた生年月日の属性だ。一九一一年五月十五日生まれの喪神風魔もがみふうまなら、泉中水せんちゅうすいとなる。水属性の色は黒であり、それが黒ノ八号帥士すいしという符号の元になっている。
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白系露西亜人(はっけいろしあじん)
満鉄あじあ号には白系露西亜ロシア人の女給が乗車している。ここで言う白系とは革命側の赤系に対する旧有産階級のことで、多くが露西亜ロシア革命後に祖国を離れた。日本にも東京や神戸を中心に白系露西亜ロシア人が暮らしている。
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日枝神社(ひえじんじゃ)
比叡山ひえいざんの山岳信仰を受けて成立した山王さんのう信仰。その大元が日吉ひよし大社、それを東京に勧進したのが日枝ひえ神社だ。日枝ひえ日吉ひよし、ともに同じ信仰。思えば、江戸、東京は、鬼門きもん東叡山とうえいざん裏鬼門うらきもん日枝ひえ神社と、二つの叡山えいざんに護られている。
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帆村帰神法(ほむらきしんほう)
東雲しののめ流より派生して、帆村魯公ほむらろこうが完成させた神者にわの流派である。より攻撃力のあるを召喚できるとして、第一連隊に請われて帆村魯公ほむらろこうを隊長に山王さんのう機関が設立されたのだ。
ホムンクルス
独逸ドイツ的錬金術の賜物、蒸留器の中に生成される人造人間のことだ。アーネンエルベはホムンクルス製造に成功したと聞く。その完成度次第では、人造怪人の量産が可能となる。
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マ号兵器(まごうへいき)
を兵器化しようという研究だ。陸軍登戸のぼりと研究所に専用の班が組織されたが、同士が戦うのであって、自体は脅威には成り得ない。やがて研究は縮小されたと聞く。
(まじん)
元は悪魔である。その悪魔に兵器を持たせたところにたる所以がある。いったい何故兵器を備えるに至ったのか、何者かの思惑が働いているのか。私には人の悪意が介在しているように思えてならない。
真名井真鏡(まないしんきょう)
真名井まない神社に納められている魔鏡である。如月きさらぎ家の宝物だという。失われた霊力を復活させるために用いたのがゼーラム525だ。この組み合わせの妙味が、魔鏡に力を戻したのである。その意味ではナチの功績と言えなくもない。
真名井神社(まないじんじゃ)
京都、宮津みやづにある神社だ。元伊勢、この神社の奥の宮である。高天原たかまがはらからもたらされたとする名井ないの霊水がつとに有名だ。如月きさらぎ家ゆかりの社という。久志濱宮くしはまのみやとも呼ばれている。
マナセ一族(まなせいちぞく)
失われたユダヤ十支族のひとつとされる。中でもマナセ一族には霊異りょういの発現があるとされるが、純血ではなく女系に受け継がれた血脈が大切なのだ。如月きさらぎ家は鈴代すずよの父、宗達そうたつの代で女系は途絶えている。
満洲国(まんしゅうこく)
一九三一年の満洲事変をきっかけとして、日本の関東軍が権益を拡大。翌三ニ年、関東軍主導地域が中華民国から独立を果たした。初代皇帝は愛新覚羅溥儀アイシンカグラフギだ。満蒙マンモウの地は日本の生命線となっている。
満鉄映画社(まんてつえいがしゃ)
植民地を首尾良く収めるには、娯楽とスポーツが欠かせない。満鉄映画社もその伝に則っているのだろう。だが満洲は独立国家であって植民地ではないというのが公式見解だ。
満鉄パシナ型機関車(まんてつぱしながたきかんしゃ)
満鉄特急あじあ号を牽引する機関車だ。流線型の車体、巨大な動輪。最高時速百粁で満洲を駆ける。あじあ号の運行は、一九三五年九月には大連ダイレン新京シンキョウ間が哈爾浜ハルピンにまで延伸となった。
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夢玄域(むげんいき)
夢玄器むげんきによって生み出された仮想的世界を、夢玄域むげんいきと呼ぶ。夢玄域むげんいきに現れるのは、思念化された人物に由来する場所。例えば九頭くず幸則ゆきのりなら四谷塩町尋常小学校といった按配だ。
夢玄器(むげんき)
銀河ゼットー博士が完成させた仮想空間を生み出す装置だ。アラヤ界から身近な人物の思念を吸い出し、その人物を思念化して表示させる。またその人物にゆかりのある場所も表出させる。
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蘭暁梅(らんしゃおめい)
満鉄映画社の女優。浅草で封切られる『紅楼こうろう』で薛宝釵セツホウサ役を演じている。林黛玉リンタイギョクを演じた麻美マーメイとともに舞台挨拶のために来日。舞台挨拶の後、麻布にある永井荷風ながいかふう偏奇館へんきかんを訪問、だがその後の足取りはようとして掴めない。
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陸軍飯倉技術研究所
(りくぐんいいくら
ぎじゅつけんきゅうしょ)
セヒラの波形化に成功した技師、新山眞にいやままことが所属する研究所だ。新山技師は軍属の身ながら、かなりの予算を取ると聞く。セヒラ探信の技術が山王さんのう機関を支えているのだ。飯倉いいくら技研は麻布いち兵衛町べえちょうにある。一見、普通のビルヂングだ。
陸軍王道派(りくぐんおうどうは)
陸軍第一連隊の主流派である。王道、つまり真のことわりにより世界をべることを旨とする。力で統べる覇道とは対極を為す。陸軍王道派は、何より理性を重んじる会派である。
陸軍玄理派(りくぐんげんりは)
玄理げんりとはよくわからない理屈のこと。陸軍第三連隊の一部急進派には、玄理げんり主義を掲げて沙汰の限りを尽くそうという動きもある。怪人騒動はそんな連中に油を注いだ格好となった。
リヒャルトガルテン
訳せば「光の庭」。ナチSS親衛隊がアルプス山中に開設した秘密研究施設だ。釣鐘製造を目的としている。所長のシュタインベルク中将はナチの行く末に絶望し、釣鐘の日本への移送を計画した。彼は瑛山えいざん会のメンバーでもある。
霊異(りょうい)
人が魔の力を現すことを言う。霊異りょういの発現は、本人の自覚を伴わないこともある。審神者さにわのように修練を積んで現す霊異りょういの他に、霊異りょういの異能が血脈にて受け継がれることもあるらしい。
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霊式ヘテロヂン
(れいしきへてろぢん)
二つの波形を組み合わせて新し波形を生じさすヘテロヂンの理論を用いてセヒラの波形化に成功した。この技術により、セヒラ波形の形状や強さを観測できるようになったのだ。開発の新山眞にいやままことは軍属ながら優秀である。
霊雀館(れいじゃくかん)
省線しょうせん渋谷駅前に店を構える占い屋だ。占いには文鳥を用いる。占いの他に絶界マテリアルなど希少な物品も販売。店主はフリーダ葉。本来、「葉」は広東語読みの「イップ」である。